memories in the...








学校からの帰り道。名前を呼ばれてふと立ち止まる。

振り向けばどこか懐かしい顔立ちの女が笑顔でこっちを見ている。





「あたし。。忘れちゃった?」

「おぉ!か!なんでこんなとこにいるんだ?」





九州で仲の良かったクラスメイトのがいた。

は質問には答えず更に質問を返してきた。


「全然変わってないね。元気にしてた?」

もな。元気そうでなによりだ」

「ちーとお話しよう。時間ある?」

「あぁ。大丈夫だ。懐かしいな、熊本弁は」





俺達は近くのベンチに座ってお互いの近況報告や思い出話をした。


はあの頃とちっとも変わっていない。

俺と千歳との3人でバカやって一日一日が楽しかったあの頃と。


「千歳とは仲直りしたぁ?」

「・・・まぁな。あいつはなんとも思ってなかったようだが。にも心配かけたな」

「いいよ。気にしないではいよ」

「ははっ。お前も千歳も・・・。いい奴だな」





あの頃に戻った気がした。





「あたしね。千歳の事が好きだったんだ」




「・・・そうか・・・」



「でもね。桔平のが千歳よりもっともっと好きだった」




「・・・そ、そうか・・・」



「今日は会えて良かったよ。じゃ」

「あ、ちょっと待て。連絡先を・・・」


鞄をあさり携帯を手にした時にはすでにの姿はどこにもいなかった。










「相変わらず忙しい奴だな・・・」



諦めて携帯を鞄に戻そうとした時に着信があった。




「――おう。千歳か。ちょうどさっき

・・・え?・・・今までここに・・・

・・・・・・・そうか・・・。わかった。

・・・・・・・知らせてくれてありがとう・・・」






の奴・・・。






別れを言いに来たつもりか。






辺りはいつの間にやら暗く星が顔を出している。




「ばかやろうが・・・。子供を助けて自分が死んでちゃ意味ないじゃろうが・・・」


が座っていたベンチはまだ温もりが残ってる。




そう思うのは俺の甘さだろうか?





「俺も 好きだったぜ」







Fin.